紀伊國屋書店は2月24日、東京・新宿区の紀伊國屋ホールで「キノベス!2026」「キノベス!キッズ2026」「紀伊國屋じんぶん大賞2026」および第13回「紀伊國屋書店ベストセラー大賞」の贈賞式を開催した。
冒頭、高井昌史会長は今年、紀伊國屋書店が創業99周年を迎えたことに触れ、「地域の文化的発展に貢献していく」と挨拶した。
「キノベス!」1位は村田紗耶香『世界99(上・下)』(集英社)。執筆中から「奇書を書いている」という思いがあったという同氏。「毒キノコのような本を生んでしまった。出版できただけでなく、書店員から賞に選んで頂けてとても嬉しい」と喜びを伝えた。
「キノベス!キッズ」1位は森洋子『ある星の汽車』(福音館書店)。森氏は受賞作について、「地球上の動物の絶滅を、遠いどこかの出来事ではなく、同じ汽車で旅する隣人になぞらえて表現した。ずっと一緒にいると思っていた隣人の席が、永遠の不在になる。その空虚な座席を描きたいと思った」と説明した。
「じんぶん大賞」は松本卓也『斜め論』(筑摩書房)。ビデオメッセージで松本氏は同書を、「約10年の難産の末に生まれた」とし、「こんな難しい本がよく受賞したねと言われる。そんな本が少なからず読まれ話題にして頂ける。(日本の出版は)世界に誇るべき文化だと思う」と話した。
「ベストセラー大賞」著者部門は『国宝(上・下)』を執筆した吉田修一氏、出版社部門が同書を刊行した朝日新聞出版。朝日新聞出版の圓満亮太社長は「18年の単行本化当初から、紀伊國屋書店のスタッフが作品の熱量を見抜いて尽力してくれた。映画化して社会現象となった後も、支えてくれたのは皆さんのような目利きの書店員だ」と謝意を表した。
贈賞式後、書評家の瀧井朝世氏を聞き手に、村田氏のトークイベントを実施。『世界99(上・下)』について雑誌連載時のエピソードや創作の裏話などを語った。会場では受賞作のサイン本なども販売し、計191冊が売れた。
出典:新文化オンライン2026年3月5日号 3面
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